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ミリタリ用語が通じない相手

艦これのノベライズを書いているわけだが、ゲラが戻ってくると、いつも苦労するのがミリタリ用語だ。
たとえば、形式名などで「九九式艦爆」と書くと校正さんから「九十九式ではありませんか?」というチェックが入って戻ってくる。
 こういう、一般の読み方、常識的な記述のやり方と、軍事用語の読み方、書き方は違うのだが、校正さんにそこまで要求するわけにもいかない。
 これ以外にも「直掩機」(ちょくえんき)とか「雷跡」(らいせき)とか「簿冊」(ぼさつ)とか
平成日本では、まず使わない単語が、ゴロゴロ出てくるのだが、海軍と陸軍とでは、読みが違っていたりして、これもまた厄介である。

 艦これは、ライトノベル読者向け、と割り切って、あまり難しい単語や、書き方をしないで、雰囲気だけを味わってもらえばいい、と割り切ったので、もっぱら校正さんの指示に従って、ゲラを戻している。

 正式な「呼称」よりも、わかりやすい概念を意味する言葉に書き換えることで、ミリタリに対する敷居を下げようというわけである。

 艦これ小説は、いわばミリタリっぽい概念の入り口であり、ミリタリは従である。
 震電改が存在し、それが艦載機になる世界で、正確さを追求するというのも、おかしな話であるわけで、そう考えると仮想戦記を書く際の「正確さ」へのこだわりを「艦これ」に持ち込むのは、さほど意味がない。
 艦これにおける史実、というのも、似たようなところがある。

もうすぐ「とある鎮守府の一日・2」が書店に並ぶ。
楽しみにして欲しい。

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