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「でたまか」の未発表短編について。

「でたまか」は今から10年以上前に、角川スニーカー文庫から出版されたスペオペで、今から6年前の2006年の6月に、カーテンコールのような短編集を出して終わった、全16巻のコンテンツである。
 ライトノベルが今のような「オタク男子向けコンテンツ」として固定化される前の、なんでもあり、だった時代だから、本として出版できたわけで、そういう意味では実に運が良かったと思っている。

 今のライトノベルの流れから見れば完全に異質な物語であり、今なら、このような物語を書いて持って行っても、どこのライトノベルレーベルも見向きもしないだろう。

 今のライトノベルとは、外れてしまったが、では、もう読めないのかと言うと、意外とそうでもないと、自分では思っている。

 逆に「汎用端末」とか「電子人格」とかの概念は、今の「スマフォ」や「siri」などの普及でかえって馴染みが出たのではないかと思うのは、手前味噌かもしれないが、そういう部分以外にも、でたまか、は、時代に乗って書いていない分、今でも読めると思うのだ。

 ライトノベルは生鮮食料品として売られている。
 「今」をメインにして書かれて売られ「俺の嫁はワンクール」が当たり前になっている。
 半年前は「もう古い」一年前は「オワコン」である。

 そういう売り方が当たり前で、常識になった時点で、私のような「干物」や「缶詰」を売っている乾物屋に出番は無いのかもしれないが。そんな中でも「スルメ」や「炒り豆」のような長く楽しめる嗜好品を欲しがるお客さんもいるので、私は何とかライトノベル商店街の片隅で商売を続けさせてもらっているわけである。

 さて、前置きが長すぎた。
 「でたまか」の未発表短編についてである。
 とっくに絶版になっているコンテンツの、未発表短編なんてものに、どれほどの価値があるのかはわからないが、実を言うと、この「でたまか」については、未発表の短編が何本か私のパソコンの中に眠っている。
 
 いまさら本になるわけもないし、組みなおして、他のコンテンツに使おうかと思わないでもないのだが、でたまか、の登場人物は実にこう、個性があるので、他では使えない。

 電子出版という話がどこからか来ないかな?と思っていたのだが、電子出版するとなれば、やはり、鳴り物入りで、人気作家の人気作を電子化したほうがバリューもある、と言うことで、私のような末端のラノベ作家のコンテンツには縁が無い。

 と言うわけで、私のウェブページで、無料で公開することに決めた。
 著作権の関係があるので「でたまか」の文字はどこにもないが、あの世界のあのキャラたちの物語である。

 テキストファイルの状態で、ダウンロードして読めるような形になるのか、ウェブ上で読む形になるのかまだ決まってはいないが、決まったらここでお知らせするつもりである。

 果たして、どれほどの人が読んでくれるのかわからないが、マイドやメイ、そしてケルプたちの物語を、もっと読みたかった人は楽しみにしてもらいたい。

 


アウトニア王国奮戦記 でたまか―問答無用編 (角川スニーカー文庫)

アウトニア王国奮戦記 でたまか―問答無用編 (角川スニーカー文庫)

  • 作者: 鷹見 一幸
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/03
  • メディア: 文庫



アウトニア王国奮戦記 でたまか〈2〉―奮闘努力篇 (角川スニーカー文庫)

アウトニア王国奮戦記 でたまか〈2〉―奮闘努力篇 (角川スニーカー文庫)

  • 作者: 鷹見 一幸
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/05
  • メディア: 文庫



アウトニア王国奮戦記 でたまか〈3〉―純情可憐篇 (角川スニーカー文庫)

アウトニア王国奮戦記 でたまか〈3〉―純情可憐篇 (角川スニーカー文庫)

  • 作者: 鷹見 一幸
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/08
  • メディア: 文庫



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