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二ヶ月ぶりの金沢訪問

 6月に入って、金沢の大学の寮で一人暮らしを始めた次男の様子を見るついでに、扇風機や夏物衣料などの品物を持って行こうと思っていたら、長男が「俺の新車で遠乗りついでに行ってやる」と言い出した。
 
 新車と言ってもダイハツのミラ・イースである。
 アイドリングストップ機能の付いた軽のエコカーで、埼玉から金沢まで行くのは大変だ。軽で長距離走るのは、サスペンションとかシートの関係で、普通車より疲れるぞ。と言うと、親父も一緒に行こう、運転を交代しながら行けば、疲れ手も大丈夫だ。と言われた。

 確かに「山猫姫10」と「宇宙軍士官学校」の初稿が上ってゲラが出るまで、三日ほどスケジュールが空いたし、伏木の北前船資料館と、海王丸、を取材しようと思っていたところなので、よし、では俺もついていこう。ということで、急遽ビジネスホテルを予約して、6月7日の午後4時10分に埼玉の花園インターから高速に乗った。

 巡航速度は90キロ前後で走行車線をキープしつつ走る。
 カーナビは到着予定時刻を午後9時40分と表示していた。

 上信越道を通って、東部湯の丸で運転交代。長男がハンドルを握って、更埴ジャンクションから上越を目指す。

 部分的に対面通行の残る区間で上り坂でトラックの後ろにつくと、70キロくらいまで速度が落ちる。
 インターに差し掛かると、追い越し車線ができるので、何とか抜くと、またもや前にトラックが……。
 まあ、なんとかそれでも上越ジャンクションから北陸道に入って、名立谷浜でガソリン給油して運転交代。メーターには「リッター18キロ」の文字。
 フルタイム4WDでこの数字は、たいしたものである。
 
 私のステップワゴンフルタイム4WDは、いくら頑張っても高速でリッター12キロくらいしか走らない。平均してリッター10キロである。

 そのまま途中でトイレ休憩を挟んで。次男の寮についたのは午後9時50分。
 怖いくらいカーナビどおりであった。

 晩飯はまだ食べていない。来るのを待っていた。というので、野々市のチャンピオンカレーの本店で、三人でLカツカレーを食う。

 次男も長男もさっさと食べ終わり、私だけがもたもたと食い終わる。
 夜中の10時過ぎにカツカレーを食うのは、いささか辛い【笑

 そして、翌6月8日。

 次男は授業がある。というので、乗り鉄の長男と共に高岡まで行って、万葉線の終点、越の潟で長男を降ろす。
 長男は万葉線で高岡に出て、高岡駅の駅の立ち食いソバで、ソバとうどんが半分ずつ入った「ちゃんぽん」を食べて、富山に向かい、富山地方鉄道に乗るとのことなので、ここで別れて、海王丸を取材に行く。

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 海王丸を見学するのは実は三回目である。
 
 実を言うと、私は、ずっと海洋冒険ものが書きたくて、企画を暖めている。
 その話は、いわゆる史実に忠実な物語ではなく、山猫姫のような世界観の海洋冒険ものである。

 主人公が乗り込むのは、軍艦ではなく商船。それも交易船である。

 交易船というのは、品物を運ぶだけではなく。積荷を先々の寄港地で売り、その代金でその地方の産物を買い込み、それを品薄な場所で、高値で売ることで、利益を出す商船である。

 日本で言えば、北前船が、この交易船である。
 大阪で、ムシロや布や酒を積み、日本海側を北上しながら、それらの品物を売って、代わりに産地の品を積み込み、最終的に北海道や青森で、昆布や干した鮭やタラを仕入れて大阪に戻ってくるのである。
 
 大阪に無事に戻ると、蝦夷地で仕入れた昆布は、高い値がつき、一回の航海で三千両の儲けがあった、と言われている。

 この北前船の寄港地が、海王丸の置かれているすぐ近くの伏木港であり、ここには、当時の廻船問屋の屋敷を使った北前船資料館がある。

 この屋敷には、伏木港に出入りする船の旗印を確認するための「望楼」が残されており、当時はここに、遠眼鏡を持った使用人が交代で詰めて、入港する船の旗印を確認して、報告していたそうである。

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 なかなか洒落たというか、和風の天守閣のようなつくりで、内部に入ると、大人が四人も入れば窮屈に感じるほどの狭さだが、窓の戸板を跳ね上げると、それが日よけになっており。なかなか考えて作られている建物だった。

 そこから見えたのは、北前船ならぬ、豪華客船だった。
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 コスタ・ヴィクトリアという豪華客船が、伏木港に入港していたのである。
 この船は、今まで地中海などのクルーズに使われていたが、今年からアジア方面のクルーズを始めたそうで、日本発で韓国や中国を回るクルーズが7月8月に計画されているそうである。

 今回は、韓国発のチャーター船で、鳥取の境港や、伏木港に寄港して、韓国に戻るそうである。
 
 なんでも観光客をバスに乗せて、富山市内まで買い物ツァーが出ているそうで、、この豪華客船は寄航先で主の珍しい物を買って帰る、現代の北前船なのかもしれない。

 明日には埼玉に戻るのだが、金沢は夜になって本降りとなった。
 ホテルの窓の外の雨音を聞きながら。このブログを書いている。


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